流星



あれから2年が経つ。
俺は意識の戻った星奈から逃げるように、寮制度の高校に進学した。
星奈に合わせる顔がなかったからだ。

高校2年の夏、不意に携帯がなった。
発信者番号は母親のものだった。

「もしもし、悪いけど今から授業――」

『ごめんね、わかってるんだけど星奈ちゃんがいなくなって……連絡きてない?』

「……は?星奈?」

『あんたのとこ行くっている手紙が置いてあったらしくて…どうしたんだろうねえ』

「だろうねえ、って……あいつ、俺の高校知ってるわけ?来たことねーじゃん」

『場所くらいなら知ってるはずよ。あんたのことずいぶん心配してたから』


今更どうして会えるというのか。
もう、会うつもりはなかったのに……どうして俺を離してくれないのか。


「あいつが来たら連絡する。すぐ帰るように言っとくから、あいつの親にも言っといて」

『ごめんね勇人、ありがとう』

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