流星
2年前、俺のせいで星奈は生死を彷徨った。
そんな星奈に合わせる顔がなくて、俺はあの思い出がつまった街から逃げたんだ。
今更、どんな顔で会えばいい。
「勇人、お前に客だってさー」
同じ部屋の友達が俺を呼ぶ。
思ったよりも早くあいつが来たらしい。
心臓が、やけにうるさい。
「……今行く」
「ちょー可愛い女の子!なに、彼女?」
「幼なじみだよ、ただの」
それ以上でもそれ以下でもない。
俺たちの関係はただの幼なじみでしかない。
しかも星奈は俺を兄貴と間違えている。
幼なじみと言っていいのか、正直怪しい。