流星


星奈は泣きそうな顔で俺を見る。
そんな泣き顔にすら、ぐらっときた。

「……どうして、ダメなの…?」

違うんだ、星奈。
お前、間違ってるよ。
ダメとかそういうんじゃない。
嫌なんだよ、俺が。

「…好きだから、だろ?」


好きだからこそ今更かき乱したくない。
幸せになってほしいから諦める。
傷つけることに意味はない。

「わかった…あたしを忘れたいんでしょ?あたしが名前も覚えてないから、だから――」

「忘れるために好きになったんじゃねぇ!」

「っ、」

「なんでわかんねえんだよ!なんで俺の気持ち考えてくれねえんだよ!俺はっ、…!」


伝わらない。
伝わらない。

違う、
伝わらないんじゃない。

伝えようとしない。
俺が、星奈に、
伝えようとしてない。

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