流星


【約束】





俺が12歳で勇人たちが9歳だった頃に約束したこと、あいつら覚えてっかな。
ずっとずっと、忘れねえかな。




「けんちゃん!」

「ん?勇人、どーした?」

「今日は星ダメなの?」

「…うーん……今日はお父さんもお母さんもいないだろ?ベランダで我慢しような」

「…ちぇーっ」


勇人は毎週土曜日だけ屋上に行って星を見るのを、すごく楽しみにしていた。
俺もそれを知っていたから、なんとか両親に「どっちか残れない?」と頼んだが、どちらの用事も仕事の関係で、大切だった。


『星奈ちゃんのお母さんに頼んでみたけど、用事があるみたいで…ごめんね?』

『仕方ないよ、仕事頑張ってね』

『ありがとう』


俺たちの家と星奈の家は仲がいい。
つまり星奈は俺と勇人の幼なじみってこと。

とにかく今日はベランダで我慢。
屋上は足が滑りやすくて危ないし、子供だけで行くと管理人さんがうるさいんだ。

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