流星
「けんちゃーん!」
ベランダで星を見ていた勇人が俺を呼ぶ。
早く早く、と急かすので少し急いだ。
「なんだよ?」
「星奈がいるよ」
「えっ?」
「星奈のお父さんもいる」
「ええっ?」
慌てて見上げると、確かに星奈とおじさんが屋上で星を見ているのがちらりと見える。
おじさんは俺たちに気付くと、「健くんと勇人くんも早くおいで!」と言った。
「おいで、だって!」
「んー…」
「けんちゃん、行こうよ!」
「まあ、おじさんいるし…大丈夫か」
「やったあ!」
俺たちはコートを着て、靴を履いて、もちろん鍵を閉めるのを忘れずに、飛び出した。