流星
【再会】
兄が死んでから、いったいどれだけの月日が経ったのだろうか。
何十年と経ったような気もすれば、まだ一年と経っていないような気もする。
しかし時は止まることもなく、いつしか兄の年齢をとっくの昔に越えた自分がいた。
星奈とも全く会っていない。
この間少しだけ家に帰ったときに、母さんから星奈が結婚することを聞いた。
正直に言うと、まだ星奈を想っている自分にはかなりキツい報告だった。
星奈が幸せになっているなら、それでいい。
そう言ったのは自分なのに。
「…引きずりすぎだな……」
星奈に『勇人』として接した期間は中2の頃までだったから、余計に未練が残る。
今さらどうしようもないが、どうせなら星奈が『勇人』を思い出した時告えばよかった。
覆水盆に帰らずってやつか。
それとも、後悔先に立たずってやつか。
まあどっちでも同じだよな。