流星
「星奈!大丈夫か、星奈っ」
星奈が階段から落ちた。
伸ばした腕は届かなくて、自分の腕がひどくちっぽけに見えてしまう。
今、星奈は星奈の両親に抱えられている。
階段からおぶってきた俺に、何度もお礼を言いながら、しっかり親の顔になっていた。
お礼を言われる立場ではないから、なんとなく居心地が悪くて、でも星奈が心配で。
俺はその場から動けなくなっていた。
できることなんてなにもない。
ただ、到着した救急車に乗せられている星奈のことを、ぼーっと見つめていた。
「……せ、な…」
また一緒に星見れるよな?
死んだりしないよな?
流れ星に叶えてほしい願いもちゃんと教えてやるから…いなくなったり、しないよな?