貴様に届け――…
こういう世界に生きれば怪我なんて絶えない。

「……心配なら救急箱もって下で待ってろ」

「うん!!」

棚に置いてある救急箱を持ってソラは階段を駆け降りた。




「……ソラを入れたのは間違いだったかな」

ポツンと呟いた言葉は、静寂の中で響き風の音と一緒に消えた。

呟かれた言葉はトラ以外わからない。
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