貴様に届け――…
彼女の履くピンヒールの音と女の子の泣き声、男達の罵る声しか響いていない。

「……おい」

低く唸る声を出しながら静かに近づく。

だが、男達は気付いていないのか女の子の服を脱がすのに集中している。

「……貴様等ここで何をしている」

「あ゛ぁ?」

一人の男が彼女に気付き振り向くが、月の明かりが邪魔してよく見えない。

「その娘から汚い手を離せ」

ギラッと目が光り、走り出した。

「うわぁ!!!!」

バキッ

「どうした?」

声に気付いた仲間が一斉に振り返った。
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