“俺様”大家の王国
「うー……」
悔しい。
でも祖母を悲しませるようで、
母の話を簡単に無下に出来ない。
結局、私が折れる事になり、
私は母に攫われるように、街に連れ出された。
「……畜生」
最初に入ったのは、高級そうなブティックだった。
普段、慎ましく生きる私とは、あまり縁が無い階級のだ。
読めない綴りの金文字がガラスのウィンドウに描かれている。
確か前にテレビで、セレブ御用達の……とか何とかで、
紹介されていたような気がする。