“俺様”大家の王国
まだ、学校から帰って来ないのだろうか。
それでも、打ち合わせや手続きがあるから、
この日だけは空けておけと命じたのにも関わらず、
夜になっても奈央の姿は無かった。
――家出だ。
義子は直感した。
両親の話から、奈央は夜遅くまで遊び歩くような娘でない事は分かっていた。
だから、その奈央が帰らないのは、余程のことだ。
事件にだって、巻き込まれているかもしれない。
心配だった。
だから、両親達に奈央の居場所を尋ねたのだ。
あの子はどこ? どうして帰ってこないのよ、と。