“俺様”大家の王国
「それは……何ですか?」
私にしか出来ない事。
一体、どういう意味だろう。
「いずれ、きちんとお話しします。
それより、明日は土曜日ですよね。
予定はありますか?」
「ええと、バイトが……でも、夜からだから、昼間は空いてます」
「なら、明日にしましょう。
……僕の、もう一つの家を提供します。
しばらくの間、そこにいて下さい」
「えっ……だけど……」
「では、言い直しましょう」
私が躊躇うと、十郎さんは顔をぐいっと近付け、
笑顔のままで言い切った。