“俺様”大家の王国
「ん?ちょっとねえ、奈央に会わせたい人がいるのよ。
それで、あんな格好じゃ入れないお店予約しちゃったからさ……」
「はあ?」
部屋着を『あんな格好』呼ばわりされたのは別として、
あまりにもな母の話に、私は開いた口が塞がらなかった。
私に、女優になれというのだ。
しかももう、出演ドラマの話も半ば決まっているのだという。
そして今日の夜は、その大物脚本家との会食をセットしたというのだ。