“俺様”大家の王国
「それはお気の毒に。
……あ、降りますよ。
こっちの階段です……」
言われるままに、私はふらふらと彼について行った。
ずっとじっとしていたので、足元がふらつく。
……貧血っぽい。
しかし悪い事に、もう時間は朝のラッシュに差し掛かろうとしていた。
平日よりは少ないのだろうが、
それでもかなりの人間が、塊になってぞろぞろと移動している。
「後は、ここから十分くらいなんですが……」
「……押し潰されるのは、我慢ですね」
私達は、満員電車に無理矢理乗り込んだ。