“俺様”大家の王国



(じゃあ、どうなるんだろう……)
 
分からない。
 
私は頭を抱えて、床に転がった。
 
白い、ふかふかの絨毯だ。

毛が長くて、触り心地は最高だった。

……でもちょっと、埃っぽい。

掃除機かけなくちゃな……。
 
ふとそこで、さっきの事故の事が蘇ってきた。

気付いたら、何度も口を袖でごしごしやっていた。

……がさがさに切れて、ちょっと痛い。

(本当に、十郎さんの目的は何なんだろう。

正規の家賃も払えないような人間に、

ここまで尽くしたって何のメリットも無いはずだ。


家族じゃあるまいし。


……じゃあ、やっぱり……)



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