“俺様”大家の王国
一方、その頃十郎は。
「……皆に、話がある」
パレスの住人を部屋に全て集め、
奈央を守るための緊急会議を開いていた。
「あ、その前に先日、
ここに引っ越して来た奈央さんに、会った事ある人。
挙手」
十郎が促すと、拓海とヨシとミエロが手を挙げた。
マッチョのケンゴロウと、フリーターの的場は、首を横に振った。
「……どんな子なの?」
ケンゴロウが、ウェーブした髪を弄びながら、尋ねた。
十郎が答える。
「とても可愛らしい方です」
「あらやだ、アタシよりも?」
「ええ」
「もうっ……ツンデレなんだから、ジューローちゃんは。
……でも、覚悟は出来たわ。
さあ、いつでもデレて頂戴!」
「話を進めます」