“俺様”大家の王国
「生憎俺は、お前みたいに脳みそがプリンで出来てるわけじゃねえ」
「ぐえっ。
急に気持ち悪い事言わないで下さいよ、想像しちゃった」
「俺だって言いたかねえんだよ!
がーっもう!!」
岩井は地団駄を踏んだ。
こいつと喋っていると、苛々する。
その所為かここ最近、血圧も上がった。
忌々しい事この上ない。
だが、彼は顔を上げた瞬間に犬と目が合い、
図らずもうっと詰まった。
柴犬が、甘えるようにか弱い声を出す。