“俺様”大家の王国
「とりあえず、起きられますか?
ベッドまで行きましょう」
だが、十郎さんはここに来る為に、
本当に体力を使い切ってしまったらしく、
私が引っ張った腕も、だらりと重かった。
「……すいません、動けませーん……」
「もうーっ!」
(どうしよう、ここに布団持ってくるのもあれだしなあ……)
そして何より、本人に『起きよう』という気が全く無かった。
かといって、放っておくわけにもいかない。
「……十郎さん、ちょっと我慢して下さいね」
「はい?」
私は彼の両足首を掴んで、床を引きずる事にした。