“俺様”大家の王国



――恐怖で、心臓が停まるかと思った。
 
でも、

(まさか、これでさっきのもチャラ……?)
 
つい数分前、似たような事を彼はしでかしてくれて、

今度は私が『発見者側』だったのだ。

しかしそう思うと、……何かちょっと嫌だった。
 
でも、仕方ない。

「えっと……じゃあ、早く着替えて下さいね。

くしゃみとか出ないうちに……」

「ひっぐしゃ!」

「言ってるそばから……」

「ずみまぜん……じゃあ、ちょっとそっち向いてて貰えますか? 

別に見てても構いませんけど」

「あ、大丈夫です。ずっと目瞑ってますから」



< 265 / 534 >

この作品をシェア

pagetop