“俺様”大家の王国
「だからかなぁ……何か、どうしても気になって」
「正直『気になって』のレベルじゃねえだろ。
……まあ、俺らを呼んだ、って事は、最後まではいってねぇんだろうけどさ」
「当たり前じゃん。婚前交渉はしないよ。
……ていうか出来ないみたいだ。あの様子じゃ」
「俺に言うなよ」
「あーあ。
彼女が望むものなら、マンションだろうがダイヤだろうが、いくらでもあげるのに。
物で示せれば、一番楽なのになあ。
……前に、『今一番欲しいものは何ですか』って訊いて、
彼女何て答えたと思う?」
「知らね」
「『資格』だって」
「……真面目だなあ」