“俺様”大家の王国
なんと、『頸動脈から』というのは、頸動脈を切ったラットの血を、そこから搾り出すという意味だったのだ!
「いやああああっ出来ない出来ない!!」
女子は悲鳴を上げた。男子も逃げ出したい気分だった。
だって臓器は見えなくとも、ラットの体温の変化が分かる分、こっちの方が非常に生々しいのだ。
麻酔が甘いとラットが途中で起きちゃって、暴れたりもするのだ。
めちゃくちゃにグロいのだ。
皆、直前まで真実を知らなかった。
運悪く担当の名乗りを上げてしまった緒方さんは、しばらく悩んでいたようだったが、首を横にぶるぶる振ってた班員達の顔を見て、やがて諦めたように決心してくれた。
「私が……やる……………………………………………………しかない、よね……」