“俺様”大家の王国

まわりの人々





恋人にふられた親友の為に後輩達が主催した『ドキッ☆野郎だらけのカラオケパーティー~山田君元気だして~』からやっと解放された拓海は、早朝にヘトヘトの状態でパレスに帰宅した。



しかし、ようやく寝床に潜り込んで気持ち良くまどろみかけていたところに、心無くインターホンが鳴った。


「……誰だ……」



最初は、シカトを決め込んだ。


しかし、ドアの向こう側にいる人物は諦めず、インターホンを鳴らしまくった。


ピンポンピンポンピンポンピンポン!



「………うぜえっ……」


安眠を妨害された拓海は、悪態を独り言で終わらせず、直接本人に言う事にした。


というより、出なければピンポン攻撃は続くのだと悟った。



ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン!


「――あーはいはい誰ですかこんな朝早く!」



「……あ、良かったやっと会えた」



ドアの外にいたのは、ぬいぐるみを抱いた見た事もない青年だった。



「はじめましてー! この前隣に引っ越してきた小林でーす!」


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