“俺様”大家の王国
「えー、それだけ?」
「んーと、あとおじいちゃん、とっても変わった人で面白かったっていうのもあったかしら。
何でも若い頃、歳の離れた妹達が毬を取り合って喧嘩してるのを見た時にね、
おじいちゃんったら毬を鋏でジョキジョキ切って真っ二つにしてから、
それぞれ二人に『はい』って渡した事があるなんて聞いたし……」
「あっはははは……意味ないじゃんそれ。
でも、おじいちゃんらしいや。さすがB型人間!」
「でも、どうしたの急に。そんな話聞きたがるなんて」
ぎくり。
「別に~……」
私は軽く流したつもりだったのに、祖母はじっと私を見つめていた。
つい、顔が赤くなってしまう。
慌ててこたつに顔をうずめたものの、私が慌てている事はもろばれだった。