“俺様”大家の王国



「あらあらどうしたの、もう……」

「……何でもないもん」

「あらあら」
 

こたつに潜ってみたものの、どうして自分でもこんなにも照れているのか分からなかった。
 
しかし、出るに出られなくなってしまった私は、いつの間にかそのまま眠ってしまった。

でも、それはほんの一時間程度だったので、私は起きてから予定通り冬物の服をまとめた。
 

そして帰り際、祖母から煮物やら漬物やら色々貰った。

元々、衣替えで荷物が多くなるのは分かってたけど、やっぱり結構な量になってしまった。


その為私は、ちょっと格好悪いけど、上着の下にちょっと服を重ねて着こんで実家を後にした。

着ぶくれて動きづらい。

……何だか、夜逃げみたいな成りになってしまった。



何とか誰にも出くわさずに帰宅してから、私は動きやすい格好に着替えた。

そして洋服の整理をしながら、そういえばパレスのこの部屋に帰って来たのも久し振りだという事を思い出した。


(もう、ほとぼりが冷めた頃かな……)


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