“俺様”大家の王国



私が十郎さんの別宅……(というより、多分どう考えてもあっちが本宅だけど)

……に駆け込んだのは、探偵に追われていたからだ。

でも、拓海さんやミエロが出入りしているうちに、何となくあっちに皆で移住しているような感じになってしまったけれど、

普通に考えて同じ部屋に未婚の男女が同居なんて絶対よくないと思った。

当事者の年齢関係なしにPTAが黙っちゃいなそうな話だ……。


「よーし、決めた」
 
私、この部屋に帰って来よう。
 
多分、ここが私の居場所だ。

逃げてばっかりいるから、自分で言ってもあんまり説得力無いけど……。
 
と、落ち着いた瞬間、隣室から奇声が聞こえてきた。


< 352 / 534 >

この作品をシェア

pagetop