“俺様”大家の王国
「え、何今の……悲鳴……?」
男の人の悲鳴だった。
ギエヘヤアアァッ!! って聞こえた。
しかし、それきり何も聞こえなくなったので、何だかだんだん嫌な予感がしていった。
(ええと、この部屋の隣って確か、的場さんて言ったっけ……
一度か二度、すれ違って挨拶したくらいしか面識ないけど……)
事件? 事故? それともちょっと季節外れだけど、『G』……?
もし『G』だったら絶対関わりたくないけど、事件や事故だったら心配だった。
いつ何があるか分からない時代なのだ。
私は意を決して、隣室を訪問することにした。