“俺様”大家の王国



とりあえず、ご飯と缶詰の煮魚と、実家の漬物とインスタントのみそ汁だったけど、それなりに食卓が整った。

ご飯は吸水をあまりせずに鍋で急いで炊いたので、もしかしたらちょっと硬いかもしれないけど。


的場さんは、「手作り何年ぶりだろう」と呟いて、食べてくれた。


大きな子供みたいな人。


彼はごはんにいきなりがっついて、思いっきりむせ返っていた。
 

 ゲホゲホゲホごはんおいしー!


「うわ、落ち着いてください……!」


……大丈夫か、この隣人は……と呆れつつも、私は誰かの役に立てた事が、

ちょっと嬉しかったのだった。


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