“俺様”大家の王国
『♪♪♪♪!!』
「わっ」
手のひらの中で、いきなり携帯が振動した。
慌てて開くと、電話だった。
相手は、クラスメイトの佐和だった。
「もしもし?」
『あ、奈央? ごめん、寝てた?』
「ううん、まだだけど……どうかしたの?」
『それがさぁ、今日学校休みだったけどさ、クラスで集まるって知ってた?』
「え……何それ、聞いてない……」
『……やっぱりね。私もなんだよ。
何かさ、うちらの列だけ、連絡網が止まってたみたいでさ』
「集まりって、何かあったの?
掲示板には何も貼ってなかったと思うけど……」
『文化祭の話し合い』
言われてからやっと、再来週にも文化祭が開催される事を思い出した。