“俺様”大家の王国



「何それー! 私ら別に悪くないじゃん! 連絡の不備でしょー?」

『まあそうなんだけど、その……毎年サボってた私は何も言えないわけでしてね……』
 

文化祭の出店は、クラス単位で行われ、同時に全てのクラスの出店が義務付けられている。

あるいはサークルに所属していれば、そちらの企画もかけ持たなければならない。

だから、五日間の間は校内にたくさんの学年の学生が入り乱れ、誰がいて誰がいないかなんて、よく分らない。

でも確かに言われてみれば、今までの文化祭の準備期間で、佐和と会った覚えはないような……。



『ソーリーよ』
 

佐和の軽い謝罪を呆れと共に飲み込んだ後、私は尋ねた。


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