“俺様”大家の王国
奈央の判断は正しかった。
ミエロは、またもや絶妙なタイミングで危機を察知した奈央に、やっぱり野生めいたものを感じていた。
「……それにしても、計画って何なんだろうな……」
「そういえば、今の話……何、娘がどうとか……ってか、
紅原綾子ってもしかして………あの芸能人の紅原綾子?」
「ええそうですよ。
毎日テレビに出てるあの紅原綾子です。
奈央さんのお母さまなんですよ」
ミエロは目をぱちくりさせた。
「え、それってまじで言ってんの……」
「もちろんですよ」
十郎は、奈央がパレスに来る事になった経緯と現在置かれている状況を、さらりと曝露した。
奈央は、ミエロが思っていた以上にとんでもない経歴の持ち主だった。