“俺様”大家の王国
驚いたことに、五着のメイド服はすべて、委員長の私物だった。
ちなみに、委員長は男の子だ。
……優等生であるはずの彼が、何故こんなにもたくさんのメイド服を所持しているのかの問題は、
後で皆で追及するとして、
衣装はよく見るとそれぞれ、ちょっとずつデザインが違った。
サイズはどれも同じようで、しかし丁度標準体型だった私たちには、偶然か必然かぴったりのサイズだった。
後は、各々の好みの問題だ。
「んー、佐和やんの着てるやつ可愛い~似合うー!」
「へへー、どう?」
佐和や他の子達は、携帯電話を片手にポーズを変えては写メを撮り合っていた。
試着は、案外なかなかに楽しかった。
代わる代わる服を着替え、その都度皆で感想を言う。
しかし私だけ、ある事に悩んでいた。