“俺様”大家の王国
私がその時着ていた服は、何故か他とちょっとデザインが違っていた。
簡単に言うと、胸元がばっくり開いていた。
袖はクラシカルにふっくらとしている。
スカートだって長い。
それなのに胸元だけ、手で押さえていないと、簡単にポロリが起こりかねないくらいギリギリだった。
「……これ不自然じゃない?」
他のメイド服は、修道服のように襟がきっちりとしていたのに、私のだけはデコルテが丸見えなのだ。
これでは、楽しい輪の中に入りたくても入れない。
「いやーん奈央ったら、色っぽーい♪」
「ふざけないでよー佐和……あのさ、これってもしかして、
ブラウス中に着るんじゃないかと思うんだけど……?」
「え、でもケースに入ってないよ。
入れ忘れたのかな……
委員長に訊いて来てあげよっか?」
「お願い」
「よしきた!」