“俺様”大家の王国
 


どれくらいの時間、そうしていたか分からない。
 

くしゃみしたら、体中が痛かった。

擬音を付けるとしたら、ギシギシという感じだ。
 


やっぱり床に寝るんじゃなかった。

指先なんかゾッとするほど冷たい。
 


私は、目を覚ます原因になったもの――けたたましく鳴り続ける携帯電話に手を伸ばした。



(アラーム……この時間にかけたっけ?)


 
空はまだ暗い。

今が何時なのかは分からないが、目ざましアラームにしては早すぎるような……。
 

ディスプレイの眩しさに顔を顰めつつ、表示されている名前を見て驚いた。
 

十郎さんからの電話だった。
 

飛び起きた。
 

かじかんだ指で、どうにか通話ボタンを押す。


ついでに右上に小さく表示されている時間を見た。


――四時二十分。

何ごとだ。


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