“俺様”大家の王国



……若干、胸に手が触れたような気がしたけど。
 
それを聞くと、拓海さんは、

「そうそう」

と、言葉を付け加え、

十郎さんは心底「よかった」というふうに、

ほっと息を吐いた。

……何なんだろう、この必死さは。



「誤解も解けた事だし、ご飯にするか」
 

拓海さんはちゃっかり、自分の分の箸を用意していた。

彼は、マイ箸を持ち歩いているらしい。



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