“俺様”大家の王国



でも、悔しさより恥ずかしさが勝った。

私は赤面したまま、何も言えなくなってしまった。

……こういう事が、

「そんな事あるわけないじゃないですか」

と笑って言い返せるくらい、大人になれたらいいのに。

だけど、私には出来なかった。

それが酷く、もどかしかった。


「わっ……私、帰ります!」
 

それだけ喚いて、逃げるように部屋を後にした。
 
顔から火が出るようだった。



< 68 / 534 >

この作品をシェア

pagetop