“俺様”大家の王国
拓海は机に顎を乗せ、不満そうに唸った。
空になったチューハイの缶が、倒れる。
「ああなー、でもあんなに可愛かったら、
ちょっとくらいーって思うんだよ。
体めちゃくちゃ軽いのに、しっかり胸あったし……
俺の職場おばちゃんばっかりだし」
「親しくもない相手にいきなり、ってのもあるんだろ」
彼は転がった缶を拾い、ゴミ袋に捨てた。
「免疫が無さすぎるんだよ。
ていうか現代っ子なんて、もっと擦れてっと思ってたし。
……あー、でもそう考えると、超貴重だよなー……」
彼の顔が、にやける。