さくらんぼ
後ろにはあの亜南君がいた・・・・。

「すいません。以後気をつけます。」

「お前らならほんとに・・・。早く教室行きなさい!!」

「は~い・・。」



「まさか亜南君も遅刻なんて・・・・。」

「思ってなかったんだろ。」

ギクッ。でもここではっきり言ったら・・・。

「言えよ。はっきり。」

「はい・・・。思ってました・・・・。」

「やっぱり。」

「なんで??」

「いや。俺、よくクールって言われるし、クールだからあーだとか、
クールだからどーだとか、うわさがすごいんだ。」

あー・・。それ、わかる・・。イケメンの人とかもそうだもんね・・・。

「だから、野中もそう思ったんじゃないかって思っただけ。」

野中・・・・・。

「あっ。あたしの名前、覚えててくれたんだっ。」

「名前と言うより苗字だろ。」

「そっ。そうだね・・・・。」

あたしはカァーっとなった。

「野中って、意外と面白いなぁ~。」

エッ??うそ・・・。

「暗いやつかと思ったけど、案外そうでもなさそうだなぁ~^^」

亜南君が笑った・・・。

「何にやけてるんだよッ」

「あっ。ごめん。亜南君も笑うんだな~と思って・・・。」

「そりゃ笑うって。それと、君、付けなくていい。亜南でいいから。」

「あっ・・。うん。あたしもッ。つばさでいいよッ!!」

「おう。じゃあつばさな!!」

やった~・・。すっごく嬉しいよ~!!!!


「おいっ!!!お前ら、何しとるっ。」

「やばっ。」

「ヤベェ。」

「走るぞっ!!!」

「えっ!?」

あたしは亜南に手を引っ張られながら教室まで走った。
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