あたしだけの王子様

転入生


『王子様』・・・それは、あたしにとって憧れ的な存在。



でも、そんないもしない存在ばかり追いかけてきたせいで・・・



あたし、河井杏里は彼氏イナイ歴15年突破っ・・・。

気が付いたら、あたしの周りはカップルだらけっ



さすがのあたしも、王子様から目を離した。でも・・・




『あたしだけの王子様はどこーーっ!?』


毎日のように、親友の吉住 藍に問いかける質問。


『それ、聞き飽きたっ』

そっけない態度の藍は、見向きもしないでただ雑誌を読みあさっている。

『だってさぁ~・・・

あたし、この年でまだ彼氏できたこと一回もないんだよ!?
さすがにまずくないっ!??』


『まずいんじゃない?』


相変わらずあたしを見ようとはしない藍。


雑誌のページをひたすらめくっている。


藍のバカッ!!




返答がなくて、しばらくすねていると予鈴のチャイムが鳴り響いた。



キーンコーンカーンコーン




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