あたしだけの王子様
まぁ、予鈴が鳴ってもあたし達の担任の真辺先生・・通称まっちゃんは来ない。
『本鈴が鳴ってから自分の席戻るわ~』
『うん。まっちゃん来ないもんね』
雑誌を読み終えた藍は、やっとあたしの方を見てくれた。
ガラガラガラーッ
突然、教室のドアが開いた。
『おらーッ
席付けよーッ』
まっちゃんだっ。
あれ?いつもだったら本鈴鳴ってから入ってくるのに・・・
まっちゃんが予鈴鳴ったすぐに入ってくるなんて・・・よほどのことでもあったのかな?
『おらーッ河井!
ボーっとしてないで席戻れっ』
『はぁーい』
まっちゃんに怒られて、ビックリしながらも席に着いた。
『今日は、転校生を紹介すんぞ~』
転校生?こんな時期にねぇ~・・・
って言ってもまだ05月の中旬だ。
親の転勤?苦労するねぇッ・・
『入っていいぞ~』
まっちゃんの声を聞いて、ドアの向こうに待機していた転校生が入って来た。
ガラガラガラ・・・
・・・きっと誰もが見とれていたに違いない。
だって、その人は・・・
『キャーーッ!!!!!!ヨウよーー!!!!!!』
『ウソォーーッ!!!!!!なんでッ!??』
『生のヨウも超カッコいー!!!!』
人気アイドルグループ『redmoon』のメンバーの1人。
『佐伯 ヨウ』だったから・・・