Stand by・・・
「てかさっき、多分って言ったよね?それどういうこと?」

「そうそう!それを聞いて欲しかったの!私記憶が全然なくて、どこの誰だったとかがわかんないんだ」

「記憶がない!?」

「そう、気づいたらあなたの部屋にいたの。3時間くらい前から。でも名前も何も覚えてないの

「・・・記憶喪失の幽霊、ってこと?」


幽霊。もうちょい暗いイメージがあったけど、この幽霊はやけに明るい。

というか、ナチュラル。

会話していることに全く違和感を感じない。


「でも昨日まではいなかったんだよな?今日突然来てたのか?」

「そ。何で幽霊になっちゃったのかなぁ?私」

「・・・何か、重い事情の割には軽いノリだな」

「うん。元気は元気。へへっ」

「へへって。こっちが調子狂っちまうよ」


おれは冷蔵庫からビールを2本取り出した。

飲めるとは思えないが、一応隣にも1本置いてみる。
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