Stand by・・・
刹那は、おれが来たことにとても驚いていた。

しかしあえて距離を取るということもなく、他の仲間と同じように接してくれた。

それは裏を返せば刹那にとってのおれとは、友達以上のなんでもない存在なわけで・・・





ちょっと悔しかった。


他のサークルの仲間ともうまく付き合うことができ、楽しい日々を過ごす。

刹那はだんだん大人になってきて、女性としての魅力は増すばかり。

その割に誰々と付き合ってるとかいう噂は全く立たず、恋人がいる雰囲気も感じられないままだった。




それから3年経ち、おれも刹那も、サークルの中心的な存在になってきていた。

自然台本の打ち合わせなどで二人でお茶をしたり、小道具の買出しなどで一緒に出かけることもあった。

その度に、おれは気持ちを伝えたいという衝動に駆られた。


しかし今の関係を壊すことを恐れ、友達としての関係に甘んじてしまっていた。







< 29 / 53 >

この作品をシェア

pagetop