Stand by・・・
「プレゼント、渡せそうにないね。せっかく買ったのに」

「・・・」

「でも・・・最後に一緒にいられるのが柊で、良かったかな。へへっ」

「ざけんな!最後って言うなよ!」


おれは思わずハンドルを思い切り叩いた。

刹那がビクッとしたことが、その場の空気で伝わった。


「今お前の体は手術を受けてるところだろ!?必死で生きようとしてるんだ。魂のお前が弱気になるんじゃねぇよ!」

「今から病院に行っても、何かが変わるわけじゃないよ?」

「・・・魂と肉体が近くに居た方がいいに決まってんじゃんかよ!」


おれはいちいち声を張り上げた。


刹那の声が消えかかっている。


その事実を打ち消したくて。


「絶対死なせねぇからな!お前の笑顔はおれが守る!おれはお前が・・・大好きなんだ。だから・・・きばれよ刹那ぁ!」






刹那が、寂しそうに笑ったような気がした。





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