夢月

学校の帰り道。美月と二人で歩いていた。
「りりぃちゃん、調子大分悪いの？」美月が申し訳なさそうに聞いてくる。
「うん。どうだろうね？見舞いに行けば、元気にしてるしね…」 「そうか。心配だよね…りりぃちゃん、学芸会楽しみにしてたのにね…」「それまでは、退院出来ないかな？検査とか、いろいろあるみたいだし。」
確かに、愛利は最近ちょっと元気ではない気がする。 いつもの、元気さがない。
「亜希？りりぃちゃんのところ毎日行ってるの？」「あぁ、行ってるよ。」毎日行ってるのは、家でも学校でも、居場所がないからだ。愛利だけは、俺を必要としてくれる。
「美月？それ、何持ってるの？」病院に行く前に美月は家によって、何かを持っていた。「えへへ内緒」なんか楽しそうだな…久しぶりに愛利に会えるから楽しいんだろう。
思えば、美月と二人っきりは初めてだな。これが初デートだった。