夢月
「お兄ちゃん。今日確か転校生来るんじゃなかった?」
「そうだっけ? 知らないな…」 そういえば、昨日帰りのホームルームで池田先生が言っていたような気がする…
「女の子だってさ お兄ちゃん嬉しいしょ?」 何が?と思ったが、無視する事にした。 学校へ向かう。途中、何人かのサッカー少年団の仲間に会った。「毎日毎日おあついね~。ラブラブ兄妹」もう慣れた…
毎日、誰かかれかに言われている。 学校が嫌だと思った事はない。僕は、妹を守る。幼稚園からそれは決めた事だから、愛利を悲しませないように、絶対守るんだ。
「お兄ちゃん? 話し聞いてる?」「あっ?なんか言った?」
「もぅ…お兄ちゃんのバカ」「なんだよ…」愛利は、うるさい。 僕はあまり話さないし、感情を表に出さない。面倒だからだ。
妹は体が弱いから、イジメにあっている事がある。 そんな奴らを好きになるつもりもないし、付き合うだけで面倒だと思っている。「転校生と仲良くなれるかな?りりぃの事好きになってくれるかな?」愛利は、どんなに辛くても弱音を吐かない。僕との約束があるから、妹はそれを守っている。
「なれるよ。お前なら、どんなやつでも友達になれるさ」 「だよね~ りりぃ頑張ります」

学校まで、すぐ近くに来ていた。
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