夢月
「如月。学校に行くよ。」 「みーちゃん。お母さん仕事だから、転校初日に付いていけないけど、大丈夫よね?」「大丈夫だよ。お母さん。如月も楽しそうだし、心配しないで」嘘だ… 如月は楽しんでる。 あたしは? あたしは? 楽しくなんかない…
「みーちゃん。如月も学校楽しみ みーちゃんは?」「うん。楽しいよ」無邪気な妹にあたしの気持ちなんて解らない。でも、如月は悪くない。あたしのわがままで如月まで、学校に行かせない訳にはいかない… お母さんにも心配かけれない。「お母さん。行ってきます。」「みーちゃん。気を付けて」

登校は緊張する。知らない生徒とすれ違う。誰って顔で見られる。身長が如月より10センチくらいしか大きくないから、同じ学年に見られる… 如月はあたしの手を握って楽しそうだし… 気が重い。
あたしは、学校へ向かって歩いていた。
< 6 / 89 >

この作品をシェア

pagetop