夢月
帰ってきた。
明日から、島根県で全国大会だ。

明日の準備をしながら、美月の帰りを待っていた。

「タダイマ」
「おかえり」

明日は、5時起きだ… 新千歳から、直行便で島根に入って、13時から開会式。 練習して、明後日から予選が始まる。


「いよいよだね 調子はどう?」
「あまり、いいとは言えないかな…。正直、プレッシャー」
「あんまり、考えこまないで、テキトーに楽しんで来たら?」

そうだよな。俺は、テキトーに陸上をやってる。真面目にやってる人には失礼だけど、陸上は暇だし、つまらない。

「亜希。ホント、テキトーでいいからやってきなね 学校がなんて言おうと、亜希は亜希だからさ」

そう言われて、ちょっと楽になった。
俺は、美月の為に陸上をやってる。
あいつに負けたくない。だから、陸上は辞めない。
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