げんせんかんにっき

 
 
私は最近悪い夢ばかりみる。
そう、恐ろしい夢ばかりよ。
 
 
 
 
ある朝僕が目覚めると、知らない女の人が座っていました。
ベッドの横に。
そして君と何か話していました。
 
女「私は最近悪い夢ばかりよ」
 
君「ふぅん」
 
女「怖いの。例えば崖から突き落とされたり」
 
君「ふぅん」
 
女「狂人に追いかけられたり、大切な人と離ればなれになったり」
 
君「ふぅん ふぅん」
 
女「もういや…今日こそは眠らないわ…」
 
君「あっそう」
 
僕「それで、どうして僕の部屋に」
 
女「怖い夢をみたからよ」
 
僕「ふぅ……………」
 
君「夢が怖いんだって」
 
女「怖い夢なのよ」
 
僕「眠いですね…」
 
女「ああっ あなたは怖い夢をみないの?寝るのが怖くないの?」
 
僕「みないし怖くありません」
 
女「うらやましい…うらやましい……私とかわってよ…」
 
君「それはできないね」
 
僕「それはできません」
 
女「かわれかわれかわれかわれ!私の怨みを背負えばいい!かわれかわれかわれかわれかわれかわれかわれかわれ…」
 
君「…」
 
 
君は怖い夢をみる女の人にフォークを向けていました
 
 
君「食べてあげようか?その夢ごと全部」
 
女「怨めしい怨めしい怨めしい怨めしい怨めしい…」
 
 
グサッ!グサッ!ぐりぐり
 
ズボッ。
 
 
 
女「あぁあぁあぁあぁあぁ」
 
 
君が手にしていたフォークには、目玉がついていました。
君が口に入れようとしたので
 
 
僕「おなか壊しますよ」
 
君「…ちぇっ」
 
 
 
 
 
 
私は最近悪い夢ばかりよ。
恐ろしい夢ばかりみるの。
でも現実の方がもっと恐ろしいわ。
夢は恐ろしいけれど、目玉をくりぬかれたことはなかったもの。
ああ恐ろしい…現実。
このままずっと夢のままでいい……
 
 
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