芸能人のカレシ


女優。

相澤優季にとって、女優の娘であることは産まれた時から当たり前のことだった。

周りが特別だと言おうと、私にとっては変えられもしない普通のこと。

どうして周りは特別な目で見るのだろうと思っていた。

良い思い出より、悪い思い出のほうが多い。

高校では素顔を隠すようにギャルになった。

中学までの私を知らない環境を選んだ。

やっと「友達」が出来た。

隠し事は後ろめたい。
螢達にはいつか話せるかな……。


ママの職業を隠しているけど、私はママが大好きだ。

女優のママも、家でのママも大好き。

2人で生きてきた時間は悪い思い出なんかじゃない。


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