芸能人のカレシ

「あの…こんな格好なんだけど……」

自分のルームウェア姿を見せると、ママは目を見開いた。

「可愛い!優季はピンク色も似合うのねぇ。ママももう少し若かったら着たかった〜!」

ルームウェアに心奪われてる場合じゃないんだけど…。

「着替えたいんだけど…」

「どうして?可愛いのにぃ」

「……はは」

何を言っても無駄だと分かって苦い笑いが零れる。

ママは私の腕を引っ張り、ソファーへと座らせた。

「待っててね」と微笑む。

扉の向こうで「入って」と話しているのが聞こえた。
ママの口調から親しい人なのか?と思う。

その人はママに背中を押されて現れた。

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