芸能人のカレシ
表情が申し訳無そうで、私は戸惑う。

「はい…?」

「ごめんね」

深く頭を下げられた。

「君のお母さんとは結婚を前提に付き合っていて、いつか優季ちゃんにも会わせてもらおうと思っていた」

ママの手が桜庭さんの背中に触れるのが見えた。

「優季ちゃんが俺を認めてくれてから籍を入れようと思ってた。
優季ちゃんは美貴の大切な子どもだから、優季ちゃんの意思を尊重させたかった」

「……」

「だけど、先に子どもを授かった。優季ちゃんの意思よりもこの子の命を優先することになった。俺のことは一生恨んでも構わない。



俺は君のお母さんと結婚します」



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